日本宗教学会第84回学術大会のうち、9月14日(日)に行われる公開シンポジウムのみは、参加申込が不要で、一般公開されます。どうぞご参加ください。
公開シンポジウム
大学で宗教(学)を教える
趣旨
私たち宗教研究者の多くは、同時に宗教(学)を教える営みにも日々携わっている。宗教概念や宗教言説が多様に批判的に検討された現在でも、その教育の営みは続いている。
宗教概念が歴史的・文化的に規定され、私たちを規定してきた経緯を振り返ると、特定の宗教に関わらない者にも、関わる者にも、「宗教」について自覚的であることは、一定の意義があると考えられる。にもかかわらず、宗教学も分類される人文・社会科学は、現在の教育行政の中では重きを置かれにくく、教育現場での困難を生み出す一要因となっている。
特定宗教の信者を育てる宗派教育と、時に近づき時に距離を取りつつ、「宗教学」を学問的な知識として教えることにはどのような意義があるか。現在、宗教文化士の養成に代表されるような、「宗教(学)」を大学で一般教養として教えることにはどのような課題があるか。そして、その教育はどのような社会的要請と結びついているのか。研究者あるいは教育者を目指す学生に対して宗教学を教える際の課題はなにか。教員はなにを伝えたいと思い、それをどのように、そしてどのような教材によって、伝えようとしているのか。いっぽうで、学生・院生の側が宗教学に期待するものはなにか。「宗教学」によって、あるいは「宗教」によって、学ぶ者はなにかを得られているのか。これらを問うてみたい。
シンポジウムでは、現場で培われた問題意識も含めて大胆に語っていただき、宗教学の置かれた現在地を明確に認識するとともに、その将来性をも描写していきたい。
日 時 2025年9月14日(日)13:20-16:30 (冒頭10分は開会式)
会 場 上智大学四谷キャンパス 10号館1階 講堂
次 第
趣旨説明 佐藤 啓介(上智大学教授)
第1報告 平藤 喜久子(國學院大學教授)
第2報告 徳野 崇行(駒澤大学教授)
第3報告 岩田 文昭(大阪教育大学名誉教授)
コメント 藤原 聖子(東京大学教授)
司 会 佐藤 啓介